<<ほぼ日替わりコラム>>
実在するの?しないの? 芸能界”枕営業”ランキングが思わぬ反響
代官山太郎
AbemaTVで6月14日に放送された「業界激震!?マジガチランキング」の「マジで枕営業してそうな女性芸能人ランキング」。同番組はカンニング竹山がMCを務め、「大人の事情は一切無視!」として10代の男女が選ぶ「リアル」ランキングをウリにしている。あくまで”枕営業していそうな”というイメージだけのランキングだが、果たしていまどき枕営業は実在するのだろうか。
同番組では10代の男女643人を対象に街頭アンケートした結果、1位は壇蜜、2位に橋下マナミと指原莉乃、4位に前田敦子、5位に坂口杏里と、セクシー系のグラビアやDVDなどで活躍したことがあったり、話題に上りやすいアイドルだったりと、10代らしいといえば10代らしいランキングとなった。
むしろ結果よりも反響を呼んだのが、MCのカンニング竹山の発言。「前、枕営業したことあるタレントさんと何人かしゃべったことある。結構いたのよ。有名な子じゃない、もうやめた子だけど」。竹山によると、その子がもらったのはバラエティー番組の商品を運ぶバニーガールで、枕営業をしてもしっかりした仕事にはつながらなかったと嘆いていたそうだ。
枕営業とは、仕事の上で利害関係にある者同士が性的関係を交換条件にし、利益を得ようとする営業方法のこと。たとえば芸能界でいえば、女性タレントが仕事欲しさにプロデューサーと関係を結ぶことなどをいい、似たものに肉体接待(肉接)といった表現もある。実力によらないルール外の営業方法であり、倫理的にも不道徳な行為と見なされやすい。
テレビ情報サイトの編集者は、過去の番組内で気になる発言があったと語る。
「2014年12月14日にフジテレビ系で放送された『ワイドナショー』では、泉谷しげるが、昔は映画業界で枕営業が横行していたと発言したんです。泉谷のスケジュールをおさえたかったプロデューサーが、接待のために女性を用意したそうで。弱みを握られまいと断ろうとすると、『お前はホモか』なんて言われたといいます。ただし、あくまで昔の話で、いまはそういう話は聞かないので健全だと言っていましたね」
女性タレントが男性スタッフを口説くパターンだけではなく、いろいろなパターンの枕営業があったということか。
地上波放送局の元デスクの50代男性は、現状についてこう話す。
「確かに昔は、仕事が欲しくて番組幹部に色仕掛けで迫るタレントも一部にいたそうだけど、80年代に入って写真週刊誌が台頭してからはほぼ消滅したよ。まず狙われやすい東京からなくなった。地方局でそういうことをする無名クラスのタレントはまだ残っていたと聞くけど、むしろ不埒なスタッフが何も知らないタレントの卵みたいな子を騙すパターンが多かったんじゃないの。ネット時代になって、いまは東京も地方もなく、何かあればすぐ拡散するから。タレントもスタッフもそんなリスキーなことはできないよ」
また同様に、いまは存在しないと一笑に付すのは別の地上波放送局の40代男性プロデューサー。
「視聴率を獲得するのにこれだけ苦しんでいるこの状況で、そんなことをする余裕はないですよ。不祥事でも起こせばクビが飛びますしね。プロダクションの力関係とか、キャスティングに大人の事情がからむのは否定できないけど、枕営業でキャスティングが左右されるなんてねぇ……。あり得ないですよ。自分の実績にも関わることですからね、まともなキャスティング力を持った人間はそんなことに手を染める理由がありません」
やはり、現在の芸能界に枕営業は存在しないといってよさそうだ。あるとすれば、かなり個人的な形で、ということだろうか。
芸能界とひとくちに言っても幅広い。女性も男性も、甘い誘惑にはご用心。
2017/6/30
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