<<ほぼ日替わりコラム>>
華やかな芸能人の懐事情
代官山太郎
芸能人も最近は大変だ。暮れも押し迫った昨年12月26日に放送された「明日は我がミーティングSP」(TBS)という番組の中で、タレントの青木さやかが生活の悩みを告白したことが様々なメディアで話題になった。青木曰く、全盛期から比べて収入が1/10になってしまったのに生活レベルが下げられないという。
ネットが台頭する以前、テレビがまだ情報収集や娯楽の中心にあった時代は、テレビも潤っていたし出演者のギャラも高額だった。それがいつしかタレントのクラスによってはギャラを出さないなんていうケースまで普通にある時代になってしまった。番組出演経験が豊富で名前もそこそこ有名な某文化人が、キー局のADから番組出演依頼を受け、話を進めたところギャラはいくら出るのかという話になったそうだ。そのときADは真顔で「ギャラ必要ですか?」と聞いたのだという。某文化人は仰天して出演を断ったそうだが、あらためてノーギャラ出演が横行している現状を嘆いていた。
別の番組で、当時バラエティーの出演が多かったmisonoが、事務所からは月額固定で25万円ほどもらっているという話をしたことが話題になったことがあった。よくテレビで見かけるタレントの収入としては安いとみるか高いとみるか、議論があったが、もはや月給で確実に25万円もらえるのであればそれはかなりの厚遇と言っていいだろう。いや20万円でもありがたいと思うタレントは少なくないはずだ。
これがマイナーなアイドルやグラドルのレベルになると、10年近く事務所のメインのタレントとして活躍していて貢献しているのに、収入は月額10万円という話もけっして珍しくない。それも10万円のうち半分以上は事務所ではなく自らのコネクションで取ってきた仕事から得られる報酬で、実質、事務所が支払っているのは5万円以下という。当然、他にアルバイトをするか家が裕福かパトロンを作らない限り生活できないレベルだ。このクラスのタレントはテレビに出られるだけで宣伝になるので、喜んでノーギャラでも仕事を引き受けてしまう。
芸能界も一攫千金の夢を追える世界ではなくなってしまった。キャリアを重ねながらコツコツと堅実に仕事をする必要がある。ある意味そのほうが健全な考え方と言えるのだが。
2018/1/19
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