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暴走ファンにアイドルどう対処? 素人レベルの運営も
代官山太郎
元SKE48の女優・松井玲奈(27)が、都内・品川駅の改札前で心ない言葉を浴びせられたとツイッターで告白したニュースが、少し前に芸能ニュースを賑わせていた。松井は今月10日夜に「品川駅の改札前。怖いなあ。どうにかして貰えないのかな」とツイート、「とってもひどいこと言われて悲しい気持ち」と心境を明かし、心配するファンから多数の慰めと励ましのコメントがついたのだ。有名人に暴言をぶつける輩は昔からいたが、何がねらいなのか。

「松井さんのケースとは異なりますが、典型的なケースとして、ある芸能人の熱狂的なファンが、その芸能人と熱愛報道が出た芸能人を恨んでファンレターに紛れて刃物など危険物を送ったり、イベントなどで暴言を吐いたりといった嫌がらせなら、以前からよく見られました。ファンレターやプレゼントは本人に渡す前に事務所スタッフが中身をあらためる。イベントなどで不穏なことをする人は出入り禁止にする。そういった対処をするしかありません」(芸能事務所マネージャー)

男女を問わず嫉妬は恐ろしいもの。中には、芸能人同士で結婚、めでたく妊娠のニュースが報じられたときに、報じた出版社に「血まみれの赤ちゃんの人形が送られてきた」(出版社勤務の女性編集者)などという、ホラー映画やサスペンスドラマを地でいくようなケースもあるというからしゃれにならない。

「それでも熱狂的ファンの嫉妬からの嫌がらせやストーカー行為などは、ある意味、そういう行為に至る理由自体はわかるし、事前に迷惑行為の兆候があれば警戒のしようもあるのですが、ファンでもないのに有名人と見るや危害を加えたがる人は防ぎようがなく怖いですね。また、気に入らない発言があったのかネット上で執拗にからみ続けたり、精神的重圧を与えることも立派な危害。ネットを見なければいいのですが、このネット時代、後れをとってはいけないとエゴサ(エゴサーチ=自分の名前でネット上を検索する)する芸能人は少なくないですから」(アイドル誌編集者)

目立つ場所に出て仕事をする芸能人は、そのぶん鍛えられているともいえるが、やはり同じ人間。メンタルが強い人もいれば、繊細な人もいる。とくに近年はグループアイドルブームなどを経てタレント数が増加、一人一人のタレントを十分守るだけの人的リソースが不足しているケースもみられる。また、ローカルアイドルの世界などでは、そもそもタレントを守るノウハウや修羅場をくぐり抜けた経験に乏しい素人に近い運営が、素人に近いタレントをマネジメントしているケースも珍しくない。まったく個人で活動しながらファンと間近に接するイベントなどの機会を設けている自称タレントに至っては、もはや個人責任と言い切ってしまっても仕方ないのかもしれないが、とはいえ犯罪に巻き込まれて良いわけはない。
2019/3/26


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