<<ほぼ日替わりコラム>>
おば様に人気のアノ歌手、ゲイバー勤務の過去
クロコママ
いらっしゃい。クロコです。変な名前でしょ。漢字で書いて「黒子」。そう、これはあくまでペンネームなのよ。
新宿2丁目の水商売の世界で生きてきて、幾星霜、ゲイの世界で表も裏も見続けてきたワタシに、素敵な「2丁目の世界」の水先案内をお願いされたので、今回から色々お話しようと思うの。
まあ、ほとんどのご婦人には縁のない世界ですから「新宿2丁目」の街を簡単に紹介するわ。もともとこの地域は「赤線」という公認の売春エリアだったんだけど、そこにゲイバーが進出してきたのが、その始まりみたいね。ワタシがこの界隈に顔を出した頃には、すでに日本でも一番有名なゲイタウンとして、独自の熱気があったの。
ワタシなんかは、幼心にテレビで、こんな同性愛者のオアシスがあると知ってしまったものだから、この街に来たときには、まあときめいたわね。そうね、ディズニーランドにはじめていったのと同じようなものよ。いや、違うわね。ディズニーランドはミッキーだけど、こっちには同じ嗜好の仲間がたくさんいたからね。
今ではオープンな街になったけど、実は、ほんの20年ぐらいまでは知る人ぞ知るという場所だったわ。そうした場所だけに、食えない役者やタレントも下積み時代に、ここで稼いでいたなんて話も少なくないの。もちろん、ワタシの知っている話を全部書いちゃったら驚きモモの木だから内緒だけど(笑)、今でも義理堅い歌手の話をしてもいいかしら。
今でもおば様族に人気の歌手でHっているでしょ。彼はたびたび、ゲイではないかと噂になるけど、特に本人は、そのことについて触れようとしないわね。それは当然だと思うの。でも彼のいいところは、今でもお忍びで遊びに来ることね。彼はかつて、老舗のゲイバーで働いていてね。イマと一緒で口下手なんだけど、男女を問わず人気があったわね。その当時から笑顔には定評があって、酒癖の悪いお客がいても、いつも笑顔を絶やさなかったわ。ワタシもたまに飲みにいく店だから顔見知りだったんだけど「事務所に入るからもう出られなくなる」と言ってキレイに辞めていったの。彼は、お酒があまり得意でなくて、昔は随分無理やり飲まして真っ青な顔にさせたりしてたわ。つい、S心をくすぐるのよね(笑)
すると、みるみるヒットして時代の寵児に。それから、しばらくは相当忙しいみたいだったけど、ここ数年かしら…フト、タクシーに乗ってこの界隈に現れるらしいのよね。もちろんかなりガードは厳しくて、ワタシが話を聞くのは、H君が帰ってから数時間後。そんな時は、ワタシもH君が直前にいた店に寄って、せめて深呼吸するのよ(笑)。まあ、イマじゃすっかりいい男だからね。今どき、下積み時代の場所に顔出すのってリスキーなのにH君って数少ない義理堅い人なのよね。ゲイの世界に限らず、芸能界でもこういう気遣いができる人が、長続きするのよね。今日は、ここまで。
2013/12/6
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