<<ほぼ日替わりコラム>>

両刀のアノ俳優がナント銭湯で…
クロコママ
いらっしゃい。今日もサービスするわよ。この世界に長年いると、「類は友を呼ぶ」じゃないけど似たような人との接点ができることがあるの。そのうちの一人が、今はもうなくなってしまった俳優のYさん。まあ、毒舌で知られていたけど、その点はすごく私に似ていたわね。単にあまのじゃくというのもあるんだけれど。

そのYさんは艶福家で有名で、結局、奥さんにも愛想を尽かされちゃうんだけど、とにかく女性と見ると口説かずにはいられなかったのね。過去には、随分、週刊誌やワイドショーをにぎわしてきたの。そんなYさんとの接点は、ワタシが以前に親しかったホステスさんの紹介。私の店にある女性を連れて遊びに来たの。まあ、その頃ははぶりもいいし、会話もスケベなんだけど、誰にでも優しいところがあるのね。それで酒席が盛り上がると、ワタシにこう耳打ちするのよ。

「いやあ、僕も両刀でね。以前は随分、役者仲間とお稚児さんを見つけて囲ったもんだよ。一緒にいてもおかしくないだろ。だから、いつも連れ回していたことがあったなあ」

まあ、ワタシに気を許していたのかしらね。そんな話を始めてのよ。でも役者の世界って、女性に限らず、同性愛にも寛容なのよね。でもその場にいたのは、親密な女性。それに愛人の噂も絶えないからこういってやったのよ。

「でも、こんな監視されてちゃ、オトコ遊びもできないんじゃないの。ワタシがお相手しましょうか?」

そうしたら、うれしそうにウシシって笑い出して、もうヤル気マンマンなのよ。その後は、とりあえずお店を通じて会うようになって、アフターでもご馳走になったの。でも不思議とちょっかいは出してこなかったわね。そうなると、逆にモーションをかけたけど、まったく手を出さなかったのよ。それで聞いたら

「いやあ今、かみさんがご機嫌ななめでね。浮気するとすぐばれるから今は自粛中」

といわれたの。それ以来、普通に親しい常連さんとして接したわ。でも面白いことを言っていたのを今でも思い出すわ。

「たまに、オトコの味を思い出す時は、銭湯に行くんだよ。その銭湯には、ジェットバスがついていてさあ、その噴射口に、お尻をあてがうわけ。そうすると『おお〜っ』てなるんだよ。それで、気分を紛らわせるのよ」

語尾が、オネエ言葉になるのが何ともユーモラスだったのよね。まあ、今でも天国でくだらない話をしているんじゃないかしら。フト、客の少ない夜にはYさんのことを思い出すわ。また来週。
2014/4/26


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