志和:カッコーの巣の上で

もうそろそろ、アカデミー賞の発表ですね。
実は私には、アカデミー賞といえば真っ先に思い浮かぶ映画が、あるんです。それは、1975年のジャック・ニコルソン主演作「カッコーの巣の上で」(ミロシュ・フォアマン監督)。

親が映画や舞台、音楽などの大ファンだったので、子供の頃からあちこちの劇場やコンサートホールなどに連れられて行きました。この作品は当時、41年ぶりの快挙としてアカデミー賞主要5部門を獲得したこともあって日本でも観客が殺到、親と一緒に日比谷「みゆき座」に出かけたところものすごい行列。昼の回をねらって行ったのに、なんと指定席も完売。最終回しか入れないとのことでした。

ここで引き下がらないのがうちの親です。整理券をもらうと隣の帝国ホテルのラウンジにしけ込んで、当たり前のように最終回まで待って観ました(私の勉強の成績が悪かったのはひとえに親のせいです、笑)。

とてもいい思い出です。作品も、すばらしかった。

いまは、ビデオやDVDで、比較的新しい映画を観ることができたり、最新作でも地元のシネコンのレイトショーとかなら空いていて観ることができたりしますね。でも、70年代はいい映画を観るのには、それなりの苦労が必要でした。過去の名画となると、名画座にかかるか、リバイバル公開を待つしかありませんでしたしね。

あのときの「観たい」っていう熱さを、いまは、アイドルのコンサート会場に行くと味わいます。当たり前のように何時間も前に会場に着いて、グッズ売り場に並んだり。アイドルファンって、そういうことに対してものすごくタフでしょう? 待ったり、苦労したりすることさえも娯楽なんですよね。

いいなぁそういうの、って思います。

《前へ   次へ》

芸能!裏チャンネルTOPへ

(c)StockTech.Inc
(c)Time Inc.