志和:KAT-TUNライブの不公平感

赤西仁の帰国会見→ライブ帯同→2曲熱唱という急展開は、赤西復帰を待ちかねていたファンにとってまさしく夢の急展開ともいえる。しかし、一部読者の皆さまから編集部に寄せられたご意見の中には、「なぜ仙台から登場なの?」「名古屋と広島にしか行けなかった人はどうなるの?」といった"不公平感"を厳しく指摘するものが見られる。

たしかに運よく仙台公演に行けた人はラッキーだったかもしれないが、とくに離れた土地から遠征費用をかけて名古屋や広島に行き、仙台はノーマークあるいはどうしても行けなかった人などは不公平感を感じて当然だろう。

基本、「なまもの」であるコンサートには、KAT-TUNに限らず常にある種の不公平感がつきまとう。

1月のハロプロのコンサートもそうだった。最終日の横浜アリーナの夜公演に紺野あさ美がサプライズ登場。夜公演を見ることのできなかった一部ファンの間では「同じ料金を払っているのに不公平だ」「紺野がくると知っていれば、なんとしてもチケットを入手したのに」といった嘆きが聞かれた。

また、そもそも同じ会場でも座席位置によって、いわゆる「良席」「糞席」が生じる。浜田省吾のように、こうした不公平感を嫌い、会場規模に合わせてライブの演出を変えたり、観客動員は可能なのにあえて大きなアリーナやドームを使わないアーティストもいる。「ステージとファンの一体感を保つのは1000人規模のホールが限界。2000人規模になると、自分の声援がアーティストまで届いているという実感がつかめなくなる」とするプロデューサーも。
そこで大会場では、コストがかかってもメーンステージ以外にサブステージをもうけたり、花道をまわしたり、移動式のミニステージを導入する例も。

いや、それ以前にチケット入手時からすでに不公平感は存在する。たとえばサザンオールスターズの年越しライブのチケ取り。同じFC会員であるにもかかわらず、10年間1度もはずれたことがない人もいれば、なんと10年間1度も当たったことがない人もいるのだ。

海の向こうも事情は同じ。昨年行なわれたビリー・ジョエル7年ぶりの全米ツアーでは、Random Number Distribution方式が採用された。これは、チケット売り場に早く並んでも後からきて遅く並んでも、購入できる確率は同じというシステム。簡単にいえば、くじ引きで購入順番を決めていくのだ。その結果、早くから売り場に到着して最前にいたのに、運が悪ければ最後尾につくということがあり得る。過剰な行列を防止するために考案されたシステムだが、わかってはいても最初に並んだのにあまりに後ろにされては落胆が大きい。

ブロードウェイミュージカルでも、事前にWキャストが発表されず、当日にならないと贔屓のキャストが出るかどうかわからない、といったことが当たり前のように行われている。私もたった1公演しか観ることができないのに、観たいキャストをはずしてしまって地団駄を踏んだことがある。どうしても贔屓のキャストで観たい人は日程を確保して、複数公演、チケットをおさえなくてはいけない。

そんなこんなを踏まえたうえで、ライブが"一期一会のなまもの"であることを楽しむ気持ちの余裕が持てればいいのだが…。

ただ、のんきにそんなことを言っても、今回のKAT-TUN…。事が赤西仁の復帰であり、しかも仙台からは東京ドームまで全公演に帯同するとあって、名古屋・広島にしか行けなかったファンは、簡単にはあきらめきれない。あいさつだけの予定だったのが、2曲も歌ったのだ。もうここは発想を転換して、「5人だけのKAT-TUNを観ることができた」ことを、逆にラッキーなこととして自分の中で消化するしかないかも。この先、5人のKAT-TUNは二度と見れないかもしれないのだ。

今回ばかりは、サプライズと呼ぶにはあまりにも大きすぎるサプライズだったのかもしれない。


《前へ   次へ》

芸能!裏チャンネルTOPへ

(c)StockTech.Inc
(c)Time Inc.