M川:希有な経験の持ち主「友達のトモダチ」

火のないところに煙は立たずとか、人のウワサも七十五日などと申します。手前どもも一種の「ウワサ」を扱い、調べたり調べなかったり・・・の日々なんでございますが。

一般的にこのウワサでネタ元として多いのがいわゆる「友達のトモダチ」というやつなんですが、この友達のトモダチの話ほどアテにならない話はないですね。

「友達のともだちから聞いたんだけど、この前、先輩が東名で交機(交通機動隊)の白バイ振り切ったらしいよ。」
「すげぇな。どうやって?」
「どうやってって、先輩のGT-Rバリチューンだもん、交機くらいラクショー」
てな、会話が繰り広げられたとしましょう。そこで、この振り切った状況についてなおも聞いていくとどうなるか、
「でも、交機ってバイクのテクニックはレーサー並みなんでしょ?」
「だけど、GT-Rだからな」
「それに相手は警察でしょう、無線で応援頼むことだってできるじゃん」
「それでも振り切ったんだってば」
どうにもこうにも、釈然としない。そこで最後まで食い下がって聞いていきますと
「最後SA(サービスエリア)に車停めて、そっから下に逃げた」
なんて言い出して「それじゃぁ、振り切ってないじゃん」
というオチなんですね。

話す側からすればまことこの「友達のトモダチ」は都合のいい存在で、なにせアナタ、話をしている当人さえもあったことがないという御仁。

この「人」の存在もあるからいわゆる「都市伝説」なんてものも生まれてくる。人に話をする時、友人では近すぎる。友達の友達くらいに設定しておけば、「後で会わせてくれ」等といったツッコミが入っても何とでもごまかせる。

だから、もしあなたが「これは友達のともだちから聞いた話なんだけど・・・」と話を切り出されたら「コトの真相は知らないが、ウワサなんだから、本当だ、ウソだと目くじら立てたり、野暮なことは言わないで聞いてね」くらいに思ったほうが精神衛生上いいですよね。
なにしろ、嘉門達夫の歌じゃないですが、「友達の友達は赤の他人」ですから。

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