マロン:女殺油地獄

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(チケット 撮:マロン)

テレビで伝わることには限度があるから、なんでもライブとかの現場に行かないと感じられないことやわからないことってたくさんあるわよネ!

テレビという"装置"向けに加工されたアイドル&アーティストだって、ライブではぜんぜん別のよさが見える…世間の風評とはまったく異なる魅力を発見したり!

ワタクシにとって映画「女殺油地獄」の想い出も、まさしくそんな想い出なの。

「裏チャン」のお仕事をしてから、梨元さん、テリーさん、東海林さんの御三家とお会いできたわけだけど…実は東海林さんとは十年以上前に2度、お会いしていたの!

1度目は故・五社英雄監督の娘さんの巴さんが、お父さんについて綴った「さよならだけが人生さ」という本の出版記念パーティーの日。
樋口可南子さんや西川峰子さん、熊谷真実さん、丹波哲郎さんなど多くのゲストが招かれてた。

ワタクシ、当時おつき合いのあったフジテレビのプロデューサーさんの依頼で、写真を撮りに出かけたの。その会場に、東海林さんがいらしてたのよ。プロデューサーさんから「東海林さんも撮って!」と言われたので、樋口可南子さんにマイクを向けた写真とか、撮らせていただいたわ。

そして2度目にお会いしたのは、できた写真を河田町のフジテレビに持っていったとき。やっぱり東海林さんがいらして、写真を何枚かお渡ししたの。

それで、出版パーティーのお話に戻るけど。

会場で五社監督の遺作「女殺油地獄」の、監督自身が使った台本を見せていただいたの。

それが、ものすごい迫力なの!

ページをめくるにつれ、次第に監督の身体が病魔に蝕まれていき、台本に監督が書き込んでいるメモ書きの文字が崩れていくのよ。

1冊の台本の中で、映画と添い寝するように、監督自身の人生の終幕のドラマが綴られているようだった…。

読むのが困難なぐらい文字が崩れてきたあたりに、ひときわ大きく書きなぐられた文字があった。それは撮影のための注意書きとか覚え書きではなかった。
「この映画を撮り終わるまでは俺は絶対に死なない!」という決意の言葉だったの。

生涯、忘れられないわ。

もちろんそれを見たからといって、自分がなにかをわかったわけでもなんでもないわ。ただ、自分がまだなにも知らないってことを、思い知らされるだけなんだけど…

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