志和:フィルムカメラの頃

裏チャンで初めて携帯の仕事に携わるようになり、あらためて思うのは写真を取り巻く環境の変化です。

私がジャーナリズムの世界に入ったとき、デジタルカメラなんて遠い未来のお話。仕事で愛用していたのは当然フィルムカメラ、それもピントもマニュアルのカメラでした。

編集部には、日に何便もラボから集配がきて、撮影済みのフィルムを渡したり、現像からあがってきたスリーブや注文したフィルムを受け取ったり、なんてやりとりが当たり前でした。
新聞社には、出版部にだって暗室がありましたし、メーカーからメンテのサービスがまわってきました。

当時、仲間と話題にのぼった最新のカメラといえば、フロッピーカメラ。いまや過去のものとなりつつあるフロッピーディスクに、画像を記録するカメラのことです。そんなものが、未来のカメラだったんですね。

グラビアでロケに行く仕事の場合は、フィルムの乳剤番号をチェックし、色補正用のゼラチンフィルターを一式持ち、色調がくるわないようクーラーバッグでフィルムを運んだりと、デリケートな工夫も必要でした。

それが、いまはどうでしょう。デジカメのおかげで、写真は一見、誰でも撮れます。その場で結果を判断でき、すぐ撮り直しも可能。ある程度なら記者がカメラマンを兼ねることができるようになりました。

でも、本当に便利なことばかり?

以前、ある通信社のデスクが、こんなふうにこぼしていました。
「デジタルだと現場のストーリーが読めないんだよね」
フィルムの場合は、現像してみれば、撮影した全コマが時系列に沿って並んでいます。現場の流れが一目瞭然。ところがデジタルでは現場でカメラマンが不要カットを削除して送ってくるとゴチャゴチャになって、撮影日時などデータをいちいち確認しないとストーリーが読めなくなるというわけです。

また、グラビアなどでデータの大きな画像を必要とする仕事では、使用カットを選択するために、たくさんのコマを一挙に並べてみることのできるマシンがまだない。フィルムなら、中判のポジを大きなライトテーブルにのせて、複数人でああだこうだと選ぶことができるわけです。

そんなわけで、一見便利なデジタルにも、まだまだ改善・工夫の余地があります。

それに、デジカメをナメてかかると、思わぬ失敗をします。簡単なほうが難しい、ってこともあるんです。私は、いざ自分が撮影をしたとき失敗するのがものすごく恐怖で、いまでも毎日、コンビニへ買い物に行くのにもカメラを持ってパチリとやっています。

歌は、とにかく歌わないとうまくなりませんが、写真もまったくそれと同じです。デジカメがカラオケなら、フィルムは生バンド…ぐらいの差があるでしょう。

ただし、割と静かな土地に住んでいるものですから、カメラを持ち歩いていると、たま〜にショクシツされてしまいますが…(滝汗)

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