志和:清志郎スゴロク

19歳の頃です。学生時代に家出して小岩のアパートに住んでいたとき、RCのアルバム「BEAT POPS」が出て、なけなしのバイト代をはたきレコードを買いました。

その中に、「恐るべきジェネレーションの違い(Oh!,Ya!)」という清志郎さんワールド全開の曲がありまして。

♪大人たちの言うことはわかる
だけどぼくの言うことは正しい
アパートの大家ときたら文句ばっかりだ
うるさいアパートのOh YA!

…と、いう曲なんですが。1日中、リピッてました。なんか曲がとっても、自分に近かったんですよね。実際、大家さんにしょっちゅう怒鳴られてましたからね。

それで、清志郎さんというと、もうひとつ。新婚のとき、駆け落ちしてた真っ最中なんですが、カミさんと一緒に初めて行ったコンサートが渋谷公会堂のRC。

チケット思うように取れず、連番じゃなかったんですよ。でも、やっぱり並んで見たいじゃないですか。

それで、開場とともに後ろのチケットの席に2人並んで。後から隣に来た人が、運良く一人で来てる男性だったんで、交渉。カミさんのチケをその男性に渡し、「席替えていただけませんか?」と。男性は、そのほうが5列ぐらい前になりますから、二つ返事でOK。

ところがそのあと、前に移動した男性の様子を見ていたら、そこにまた人がいるんですね。同じように連番で取れなかったカップルらしく。また交渉が始まって、その男性は再びチケ交換して、さらに前へ。

男性はいそいそと、今度はかなりステージに近い前方へと移動していきました。

スゴロクでいえば、「3つ進む」とか「3回サイコロを振る」とか、ですよ。ラッキーですよね。

ライブはすごくアットホームで、もう、みんなノリノリ。

清志郎さんが、「Oh 雨あがりの夜空に〜かがやく〜」と、腰を低く落として、あげた腕をゆっくり一振りしたとき、本当、雲の切れ間から星の光がたくさんこぼれ落ちてきたように感じられた。

それと、MCも忘れられなくて。清志郎さんが、前のほうのファンたちをグルリ指さして、「お前ら一人で来てるヤツら、休みの日に彼氏も彼女もいねえでナニやってんだベイベー」って。

チケット交換して前のほうに移動していったあの男性も、きっと清志郎さんに指さしされたんだろうなと。

ラッキーですよね。

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