M川:ゴリ押ししてはみたものの・・・
おかげさまでこの「裏チャン」も少しは金回りがよくなりましてね、小生意気にも取材なんぞに行ってるワケなんですけど、今日は少々長めの話ですが、お付き合いのほど、よろしくお願いします。
まずこの写真みてください。実はこれ少々異常な光景なんですよ。今月8日に「毎日映画コンクール」の授賞式なんぞに行ってきたんですが、授賞式が終わりますってぇと、たいてい「囲み取材」ってのが行われます。みなさんがテレビで見るレポーターとかにタレントさんがマイク突きつけられてるアレね。
この囲み取材に限らず、取材の並びってのは一定の秩序があるんですよ。まずはタレントさんがいて左右と後ろをレポーターが囲んで、そのレポーターの周りを取材記者が囲むという図式で、タレントさんの前方にはENG(現場ではムービーと呼ばれることが多い、テレビクルーのこと)の音声さんがマイクをつけたブーム(物干し竿みたいな長い棒)を持ってます。で、その後ろにスチールカメラマン、その後方にテレビカメラという順番なんです。
で、井筒監督やら浅野忠信さんやら終わって最後の一人。ってときに当日この式を仕切ってたPR会社の人が「次の方の取材はクルマの前で・・・」と切り出してきまして、そのクルマというのは副賞でもらえるものなんですが、私たちから15メートルほど離れたところにあるんです。これにはみんなア然としちゃいましたね。
なにせ、ムービーのセッティングは面倒でカメラと音声をつないで「はい、準備OK!」なんてもんじゃないんですよ。ここでは省きますがとにかく手間がかかるんです。スチールはカメラだけの移動で比較的ラクなんです。だから取材陣から「胸から上しか映らないから、まずここで囲み取材やって、それからクルマのところでスチールでいいでしょ」という声が当然あがります。
ところがPR会社は「(スポンサー会社の)社長とのツーショットを撮ってほしいので、こちらでお願いします」の一点張り。確かにスポンサーとの契約もあるのでしょうが、物理的に3・40人はいる取材陣がそんな狭いスペースで撮りきれるもんじゃありません。しかもクルマを入れてなんてまずムリ。あまりの融通のなさについにあるテレビ局は「わかりました。ウチは帰ります」と引き上げちゃった。そうしたら次々にテレビ局が引き上げはじめ、残ったのはたった2社。スチールはスチールでその方がクルマと写りこむ位置に入る前に「そこでストップ!」と声をかけてものすごい勢いでシャッターを切って「はい、ありがとう!」で終了。
結局、最初にみていただいたようにそのツーショット撮影はPR会社のカメラをのぞくとムービーが2社で前に座ってる音声さんとテレビカメラのあいだにいるはずのスチールカメラマンがなんとゼロ!というまぁ「無理が通れば、道理が引っ込む」をやってみたらこうなった・・・という光景となりました。え!? このあとこのPR会社はどうなったって? そこは「言わぬが華」ってヤツですよ。本日はこれにて。
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