虎男:ミスター・ヒトさんとの思い出
裏チャンでも報じましたが、元プロレスラーのミスター・ヒトさんが21日、大阪市内の病院で亡くなりました。
享年67。糖尿病を患い、かなりやせ細っていたようです。ヒトさんの現役時代を知っているファンは少ないと思いますが、カナダ・カルガリーに居を構え、日本から武者修行でやってきたレスラーを育てた人として有名でした。
故・橋本真也さん、馳浩、獣神サンダー・ライガー、日本人以外にもダイナマイト・キッドやブレット・ハート…。
プロレスに興味がない人には???だと思いますが、とにかく名伯楽ってことなんです!
また、故・中島らもさんとプロレスの裏話をしまくった「クマと闘ったヒト」(メディアファクトリー)は、何度も読み返しました。
「好き嫌いがはっきりしていて、言いたい放題だな〜」と、ヒトさんに対するイメージは正直良くありませんでしたが、02年夏、ひょんなことで大阪に旅行へ。
実は初めての来阪で、「やけに“ひったくり注意!”の看板が多いな〜」、「環状線って“大阪の山手線”みたいなもんだな〜」と妙にウキウキ。
またとない機会と思い、玉造駅を降りて、いざヒトさんのお好み焼き店「ゆき」を訪問! のれんをくぐったら、「おお、ヒトさんだ! デカいおじいちゃんだな〜」と思うやいなや、「食いもんないぞ〜」。
ホワイ? ここってお好み焼き屋さんだよな? 「食いもんないぞ」って…。ああ、きっと笑いのメッカ・大阪だけにこれがあいさつなのか!と勝手に解釈しましたが、本当にオーダーに応える気ゼロ。どんな店なんだよ!?
しかし、店にはなじみの客3人がヒトさんを囲み、「85年に阪神が優勝した時はごっつ良かったな〜!」、「阪神の帽子してるだけで通行人と抱き合ってたからな〜。おかげで若い姉ちゃんのおっぱい揉ませてもろうたわ〜」と関西フレーバー丸出しの会話を。
僕が以前、某格闘技雑誌でヒトさんがレスラーの裏話を暴露していたことについて、「この伏字のとこって誰なんですか?」と聞いたら、「そんなもん知ってどうすんだ?」と嫌な顔をされましたが、「ああ、●●や!」と教えてくれました。当時は業界入りする前で、まったくタチの悪いファンだったのです。あの節はすみませんでした!
せめてお好み焼きぐらい食べたかったな〜と店を出ようとしたら、「おう、気をつけて帰れよ」と温かい一言。「実はいいおじちゃんじゃん!」と思いましたが、これが最後の会話になろうとは…。
ご冥福をお祈りいたします。
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